IWEAYR11

IWEAYR(International Workshop for East Asian Young Rheologists:東アジア若手レオロジスト国際ワークショップ)という,増渕がずっと運営に関わっている国際会議があります.毎年行われている会議ですが,今年は中国の深センで行われました

この会議は京都大学の渡辺先生等が立ち上げられたもので,1)アジア諸国のレオロジー関係の研究室の間でネットワークを作ること,2)そのような研究室に所属する学生に発表と交流の機会を作ること,を目的としています.当初は韓国,日本,中国の3カ国で始められましたが,現在はタイが加わった4カ国となっています.この4カ国が順番でホストを務めています.

規模はだんだん大きくなっており,前回九州で増渕が面倒をみたときは参加者130名弱,このうち学生が80名弱でした.学生は発表しないと参加できない決まりですから,発表も80件あったわけです.

この会議では,for Young Rheologistsというだけに,発表できる機会は基本的に学生にだけ与えられています.口頭発表もポスター発表も学生がやって,教員は質問したりするだけです.発表はもちろん英語です.通常の国際会議は教員による発表の方が多く,学生はどうしても気後れしてしまうし,また英語ができるのが当たり前なので,ろくにしゃべれないと気まずい場合があったりします.この学会は発表者は学生だけであり,また英語を母国語としない国の集まりなので,英語が下手でもある程度許容される雰囲気があります.

また,学生同士の交流を促進することを目的とした工夫がなされています.通常の国際会議だと,言葉の問題などからどうしても同じ国の研究者どうして固まってしまいます.教員どうしであると国が違っていても英語もまあしゃべるし,またお互いに質問したり共同研究の相談をしたりしますのである程度交流します.が,学生どうしだと外部の人との交流は簡単ではありません.日本から来ている他の研究室の学生と知り合いになれれば,まあ良い方でしょう.ところがこの学会では,学生同士を無理矢理に混ぜ込んで,強引に知り合いにさせる仕組みが織り込まれています.たとえば宿舎はすべての参加学生が同じ宿泊施設に同宿になります.相部屋のことも多く,このとき他の国の学生と(もちろん性別ごとに分けますが)相部屋となることもあります.また,他の国の学生と8人程度のグループにされて,そのグループで一緒に行動する時間が半日くらい設定されます.グループ行動した内容をグループごとにプレゼンにまとめて発表し,面白い活動をしたり良いプレゼンをしたりしたグループには賞が与えられます.もともとは通常の学会と同じく全体で動くエクスカーションでしたが,数年前の韓国からこのようになりました.

増渕は2回めからずっと参加してきましたので各国に知り合いの先生方も多く,今年も行きたかったのですが,講義の関係で出られませんでした.このため学生だけで行ってもらったのですが,彼らは松下研の土肥さん,名工大の岡本先生,京大の渡辺先生他,たくさんの方々のお世話になりました.この場をお借りして御礼申し上げます.

今年は増渕研は4年生2名(学生の全戦力)に参加してもらいました.4年生が卒研発表の前に国際会議に出るというのは,あまり無いことです.ですが,今年の二人はとてもよく頑張って,発表に値する研究をしました.また発表するには英語で予稿(発表内容をまとめた短い論文),発表資料,発表原稿,ポスター(今回の学会では短い口頭発表とポスターの両方が課せされています)を準備しなければなりませんが,これらも期限にあわせてきちんと準備できました.がんばって研究をしたらそれを公開して世に問わなければなりません.また学会で人の意見や批評をもらうのは大切なことです.

発表するのが苦手,という人もありますので無理強いはしませんが,社会にでて技術者や研究者になれば海外とのやり取りも出てくるでしょうし,学生のうちに練習しておくのがよいと思います.

参加した学生の参加記がここにあります.ぜひ御覧ください.

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