9月半ばから末にかけて,東北大学で開かれた高分子討論会,その後に続いた関東高分子若手会,さらにレオロジー討論会に出席してきました.
高分子討論会は3つのセッションから発表のご依頼をいただいたので,ちょっとキツイなあと思いつつも3件お話してきました.すべて自分自身が手を動かしてきた,ここ1−2年のシミュレーションの内容です(題目はココに書いておきました).高分子学会は比較的大きな学会です.討論会では発表会場が10会場くらいありますが,それでも発表の希望をすべて満たせないので,毎年特定のテーマがいくつか設定されます.高分子学会は(増渕の感覚では)合成系が強い印象です.ところが今年は高分子物理に関係するセッションがいくつも並列しました.興味深い講演が多かったのですが,頻繁に場所移動する必要があり,また聴講したい複数の講演スケジュールが重なる場合もあって,忙しい印象でした.
ところで増渕の研究発表後の質疑応答について,ある先生から「質問した人全員に,すばらしい質問です,と返すのはどうなの?」というコメントをいただいてしまいました.意識していなかったですが,質問していただくこと自体ありがたいことと,ツボに嵌った質問をしてくださることがあるので,ついつい「すばらしいご質問ありがとうございます」と言ってしまうのです.連発するとかえってバカにした印象になってしまうのでしょうか.気をつけます.
そもそも研究テーマを見つけることは研究で最も難しいところで,自分はそこにはまったく自信がないので,他人様のテーマを見るとたいてい素晴らしく思えるのですが.
高分子討論会後,関東高分子若手会では粘弾性の基礎を話してほしいとご依頼があって90分講義(?)をしてきました.東大,東工大などの関東地区の大学で活躍される30代の若手の先生方がたくさんおられる会で,秋保温泉に1泊して夜も遅くまでお話して,という会でした.増渕はご招待いただいた際に学生さん向けの企画だと勝手に勘違いして,粘弾性の講義のような内容をお話してしまいました.他の2名の先生方はご自分たちの先端的な話題をお話でしたので正直場違い?とも思いました.一方,レオロジーは学部でも大学院でもカリキュラムにない場合も多いので,勉強になった,これから粘弾性解析もやってみる,と(多分お世辞半分で気を遣ってくださって)話してくださる方もありました.
レオロジー討論会は神戸大学で開かれました.この会はこのところずっとミクロレオロジーというセッションを東大の酒井先生と東工大に移られた中嶋先生と担当しています.セッションを担当するということは,セッションが成立するように講演数を集めることを意味します.しかしウチのセッションは,今回特に集まりが悪かったのです.こうなると自分のグループの研究発表を入れるしかありません.東大の酒井先生のグループからは3件出してくださいました.自分は最初から1件だしていましたが,時間割の調整などができるようにダミーを2件追加して,合計3件にしていました.
ええ,プログラム編成会議に出られなかったのがいけないのです.蓋を明けてみると,初日の午後,自分のセッションの部屋は3件しか講演がなく,かつその3件は全部自分の講演という,非常に恥ずかしい事態に陥ってしまいました...まあやるもんじゃないね.しんどいし恥ずかしい.1件は高分子討論会と同じ話をしましたが,2件は別の内容にしました.
結果として,この2週間で,ここ2年くらい自分で手を動かした内容を5件の講演にして全部話してきました.それに加えて粘弾性の講義もしたと.さらに学会の合間には学会のお世話のための会議もあり,この時期特有の科学研究費の応募に関する事務などありまして...出張もあってとても疲れました.