ゴム協会賞をいただきました

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以前にもご紹介したのですが,住友ゴム工業さんのタイヤ用ゴムの開発をお手伝いしています.住友ゴム工業といってもあまりピンとこないかもしれませんが,ダンロップとかファルケンというブランド名を聞くと,車に乗っている方にはわかると思います. 車に乗っていなくても,福山雅治が出ているこのCMとか. このタイヤ用ゴムの開発には,J-PARC,Spring-8,さらに京コンピューターという,日本が誇る研究用大型施設を使っています.そのような最先端技術を結集して,ゴムというなんともレガシーな物質をさらに改良しているのです. この度,この研究開発に対して,日本ゴム協会からゴム協会賞が授与されました. 受賞者5名が書かれていますが,他にも研究に携わった方はたくさんおられます.学会の規定で5名しか書けないのです.増渕を入れていただいていますが,他の方々に大変申し訳ないことです. みなさんに感謝申し上げます.

研究員募集中

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増渕研究室では2015年12月現在,博士研究員を募集しています. 大学では博士研究員(ポスドク研究員)という身分があります.日本では増渕が学位をとった20年くらい前から出てきた仕組みで,博士の学位をとったヒトのための任期付きの研究職です.大学教員のポストが(少子化と国の財政状況の悪化により)減っているため,学位取得後に大学教員の席がうまく見つからない場合,今回募集しているような博士研究員になって業績を稼ぎ,大学教員の席が空くのを待つことがあります.欧米ではもっと前からあって,教員になる前に様々な経験を積むための武者修行のポジションのような位置づけです. 博士研究員の給料は,大学にもともとある予算からは出せません.大学教員が,国や民間の競争的資金といわれる研究費に応募して,雇用するに充分な予算を確保し,そこから出します.これが意味することは,博士研究員のポストというのは,ある特定の内容の研究プロジェクトにひも付けされている,ということです.(学術振興会の博士研究員というのもあって,こちらは研究員自身が設定したテーマを自由に行うことができますが,採択数はあまり多くありません.)今回,増渕はSIPなるプロジェクトに採択されました.増渕の研究内容は高分子材料のシミュレーション技術を開発することです.それ自体はいつもやっていることと変わらないのですが,今回は特に,熱硬化性高分子のダイナミクスを予測する技術を開発します.(なぜそんなことをやることになったかは,機会を改めます.)増渕自身に充分時間があれば実施できますが,何しろ会議や講義や各種出張等で時間がありません.そこで博士研究員の方をお願いして,相談しながら研究をすすめることとしました. 今回募集する博士研究員の方においでいただくのは2016年4月からなのですが,NCCの事務的な都合で2016年1月末までにはヒトを決めなければなりません.海外の知り合いなどにも広くお願いして,応募者を募っているところです.シミュレーション技術,高分子,ダイナミクス,そのような事柄に関する技術や知識を現状お持ちでなくとも.関心をもって取り組んでいただける方に来ていただきたいと思っています.おいで頂く方にも有意義な研究機会となるようにしたいと思います.

東京モーターショーで高性能タイヤの発表

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東京モーターショーにあわせて,こういうプレスリリースが出されました.住友ゴムが耐摩耗性を2倍に引き上げたタイヤを作ったという記事です.記事の一番下の方を見ていただくと,増渕が開発をお手伝いしたことが紹介されています. 増渕がお手伝いしたのはタイヤに使うゴム材料の破壊の様子をシミュレーションで解析することです.「分子レベルでシミュレーション」とあるところ.まず,いろいろな工夫を入れて破壊が発生する様子を計算できるようにしました.次に,様々なゴムの改良の可能性をシミュレーションで試しました.その結果,有望そうな改良法をものづくりに提案した,というあたり.計算にはスパコン京が使われました.ちなみに計算そのものやプログラミングは増渕がやったのではありません.方法を練っていく段階や様々な解析を行う段階で議論に加わって必要な助言等をしました.(研究室で学生さんと研究をするのに似ています.) 耐摩耗性が2倍になるということは,タイヤの寿命が2倍になるということです.そんなことしたら,タイヤの値段を倍にしないと商売にならないんじゃないですか?という素朴な質問を住友ゴムの方にしてみました.まず前提として,車が増えていることによってゴム資源が枯渇する恐れがあるそうです.また,ハイブリッド車や電気自動車,燃料電池車などはバッテリーのために車重が増加する傾向にあり,タイヤにとっては条件が過酷になっているそうです.耐摩耗性を向上することは,まずこれらの社会的課題の解決にとって重要であると.一方で,商売上はタイヤづくりに様々なオプションを持っていることが重要なのだそうです.つまり,耐摩耗性を向上する技術と他の技術を組み合わせてもちいることで多様なタイヤを市場に提供できることが重要なのだそうです. ウチの部屋はNCCの所属でもあり,図らずも自動車への関わりが増えている状況です.一方,化粧品関係の共同研究もあります.例えばこの論文.車と化粧品,一見,遠そうな産業分野ですが,レオロジーは幅広く役に立ちますよ,ということも最後に宣伝.

分子膜の自己組織化とダイナミクス

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界面活性剤や高分子は、二次元膜を自発的に形成する特徴をもっています.その代表例は,食品や化粧品などに身近な泡です. 我々は,二次元膜のダイナミクスや構造を調べるとともに,どのように構造が形成(自己組織化)されるのか,そのダイナミクスはどのようなものか,を調べています.さらに,外場によって自己組織化現象をガイドする可能性も模索しています.

高分子ダイナミクスのモデル化

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高分子はプラスチック,食品,化粧品等として,身の回りにあふれている物質です. 高分子はブラウン運動していますが,その運動は物性に影響しています.たとえばヘアワックスは高分子の濃厚溶液ですが,高分子の運動が速すぎればヘアスタイルが保持できず,遅すぎれば髪に馴染みません.調度良い使いやすさは調度良い運動で実現されているのです. また,高分子の運動はプラスチックのように,分子運動が凍結されている材料でも重要です.高分子の運動は遅いため,プラスチック材料はほとんど平衡化されていません(フィルムを加熱すると収縮するのは平衡状態に戻っているのです).よって成形加工中にどのような状態で凍結されるかで物性は決まっているのです. 我々は高分子の長時間運動を解析し予測するため,実験を行い,さらに理論モデルと計算手法の開発を行っています.OCTAプロジェクトにも参加しています.