ICR2016のweb

大学の教員の(多分重要な)仕事の一つに,学会のお世話というのがあります.

学会というのは研究成果を発表して議論する場のことです.増渕が考えるに3つの役割があり,1)は情報収集,2)は研究の宣伝,3)はヒトの頭脳を借りること,です.

まず情報収集.研究成果を発表するのは論文もあり,学会発表よりは論文を書くほうが成果として重要ではあります.が,皆さん忙しいですしヒトの書いた論文をすべて追いかけていくのは困難です.最近はweb of scienceとかgoogleとかあるので,かなり楽にはなっていて,例えばキーワードを登録しておくとそれに関係した論文を教えてくれたり,自分が要チェックだと思っている研究者の論文が出たら教えてくれたりします.しかしそのようにフィルターをかけてもなお膨大な量の論文が出るので,すべて追いかけるのは無理.そこで学会が役に立ちます.学会に一日でていると10−20件くらいの研究発表を聴くことができます.また,他の研究者と話ができるので,自分がキャッチできていない研究の情報が手に入るのです.

次に,自分の研究の宣伝も重要です.上に書いたように皆さん忙しいですから,いくら自分でイケてる研究だと思っても読まれなければ意味がないのです.(良い商品を作ってさえいればお客が来ると思ってしまうと商売もダメなんだそうですが.)自分の研究がイケてると他のヒトに思ってもらえないと困ることがいろいろあるのです.例えば職がなかったりとか.研究費がもらえなかったりとか.

そしてヒトの頭脳を借りる.学会では質疑応答があるので,自分の研究に対して有益なコメントがもらえることがあります.共同研究に発展する場合もあります.上述したように他の研究の情報をもらえることもありますし.

このように学会というのは研究にとって不可欠なインフラです.で,誰がやるのか?というと,学会事務局がある場合は大半の業務をそこがやってくれます.例えば増渕が属している例でいれば物理学会とか高分子学会とかそういうところで定例的に開催される年次大会とかそいういうイベントは学会事務局が実務を行ってくれます.けれど国際会議の場合はそういう事務局がある場合はあまりない.論文とちがって出版社みたいなイベント会社があるわけではないので(分野によってはそのような業者が跋扈しているらしいけど),研究者がやるわけです.国内の学会でも事務局の規模が小さいと研究者が相当事務方の作業をやらないといけません.いうなれば学生とか生徒が学園祭とか文化祭を組織するようなもんです.

だいぶ前置きが長くなりましたが,現在増渕が関わっている学会で最大のものが,来年京都で開催されるICR2016です.この学会は全世界のレオロジー研究者が一同に介する大きな会議で,4年に1回しか開かれません.オリンピックのようだ.次回は2016年に京都で行われるので,日本国内のレオロジー研究者総出で「オモテナシ」するわけです.で,増渕の御役目の一つは上記のwebサイトの管理運営をすることです.話題になっていましたが写真その他は他から流用できません.当該サイトにある写真は京都コンベンションビューローから許可を得て使用しているものと,後は増渕が個人的に撮ってきたものです.ロゴはあるアマチュアのデザイナーさんに費用をお支払いして作っていただきました.

そんなこと(webサイト作ったり写真撮ったり)も研究者の仕事ですよ,ということで.

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