レオロジーとかソフトマター科学の分かりづらさというのは象徴的な応用がそんなにインパクトが無いように見えてしまうからだろうと思います.たとえば電気自動車とか発光ダイオードとか太陽電池みたいにそれとわかるイノベーションを世の中に提供するわけではないためと思われます.もちろん免震ゴムとか低燃費タイヤとかゲルインクとか黄金比率プリンとかD3Oとか発泡ポリプロピレンとか100%米粉パンとか...レオロジーの偉大なる応用はたくさんあるのですが.社会のルールを変えますみたいな方向ではないというか.既にあるものを今あるルールの範疇でよりよく,みたいな方向というか.
それでこういう記事を見つけました.Rube Goldberg Machineというのは,いわゆるピタゴラ装置ですね.ここで紹介されている装置のビデオも眺めていると面白いのですが,それより記事をご覧いただきたく紹介しました.
この装置は3Mという,セロテープやポストイット他様々なものを生み出してきている会社のブランドマシンなんだそうな.ブランドロゴとかブランドフレーズというのはよくあるが,ブランドマシンとは面白いですね.Rube Goldberg Machineというのはシンプルなことをたくさんの(無駄な?)ステップの組み合わせで実現するものという定義だそうです.3Mは一見シンプルに見えることに含まれるたくさんの科学に注目して,それを商売にしますよ,ということを端的に表現するとこのようなマシンになると.
まさにレオロジーとかソフトマター科学の姿といえましょう.