PPS31韓国

jeju

韓国済州島で開催されたPolymer Processing Society 31st Annual Meetingに参加しました.この会議は毎年開催されている高分子成形加工に関する国際会議で今年の参加者は600名超だそうです.とはいえMARS騒動のためキャンセルも多かったようで,たとえば台湾からは一人も来ていませんでした.

増渕はこの会議には毎回参加するわけではなく,むしろサボリがちですが,今回はいくつかの理由から出席しました.

ひとつはNCCに所属するようになったのでポリマーコンポジット(高分子複合材料)系の研究の情報収集をするためです.会議全体を通してこの話題はホットで,ポスターも含めると100件以上の発表がありました(プログラムはここで見られます.いつまで見られるかはわかりませんが).ドイツのフラウンホーファー研究所からも発表がありましたが,RTMに関する全工程シミュレーション技術を確立した,という,確かにすごいんだけれども,あまり細部に関する情報は出てこない,要するに宣伝に来たのね,という内容でした.他には韓国の研究が非常に目立ちました.あまり細かくはかけませんがNCCで取り組んでいる内容は技術的に難しいということは,今更ながらよくわかりました.

もうひとつは今回の会議を主催した韓国の先生方と親しくさせていただいていることです.特にAhn先生には毎年お会いしますし,以前は研究室にご招待いただいたこともあり,非常にお世話になっています.増渕が名大に着任したときはお祝いもいただきました.Ahn先生は韓国でレオロジー関係の会議があると必ず事務方で活躍されますが,今回も例に漏れませんでした.こうなると応援の意味で参加したいわけです.(学会は参加者が多いことが成功の一つの目安ですし,自分が学会をやるときも知り合いが来てくれるとありがたいものです.)

最後のひとつは小山清人先生が全体講演をなさったことです.小山先生は山形大学の学長ですが,増渕が山形で助手をしていたときの研究室の教授だったので今でもかわいがっていただいています.先生のご発表の内容は伸長レオロジーに関するもので,小山研のお家芸ですから,増渕にとっては馴染みの内容です.よって聴講が目的ではなくて,研究や身の振り方などについてお話をさせていただくことが目的でした.偉い先生でも海外の国際会議中は捕まえやすいものです.今回も3回もお食事をご一緒して,様々な情報をいただきました.

ところで増渕自身の研究発表ですが,小山先生のご講演にあわせて,二様分布系の伸長粘度のシミュレーションによる解析,という内容をお話しました.もうすぐ論文が出る内容なので,出版されたらまたお知らせします.内容はおいておいて,マサチューセッツ大学のWinter先生に話を聴いていただけたのが収穫でした.Winter先生は増渕のシミュレーション法を評価くださって,先生が開発しているレオロジー解析評価のためのプログラムIRISに導入してくださっています.そのようなわけで,最新成果をご覧いただくことは重要でした.

その他,日本のプラスチック成形加工学会でご活躍なさっている先生方とも多数お会いでき,有用な情報をいただきました.またNCCや増渕自身に対して励ましをいただきました.皆様ありがとうございました.

冒頭の写真は学会会場からホテルまで歩いて帰った途中に海岸で寄り道したときのものです.

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